歌えない僕の気持ちが解る?

正義：
『一度ステージに上がったらもう逃げられない、でも計算なんかしない、ただ感覚に従うだけ。』ローリング・ストーンズのキース・リチャーズはこう言った。俺もそうだねぇ。算数のテストなんて計算なんかしなかった。ただ感覚に従うだけ。
（FM江戸川　『早川正義のこれがジャスティス』　にて）

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正義：
早起きが習慣になりそうんだよ。うるさくて寝てらんねえの、朝。だから、自然と寝るのも早くなるだろ？
ミッキー：
健康的で最高じゃないか！
正義：
最低だよ、ロックってのは『夜の時間』っていう意味なんだよ。
ミッキー：
なに訳の分かんねえこと言ってんだよ。

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正義：
くっだらないわ・・・・
陸の担任の先生：
いやっ　くだらないって・・・え？陸君は放課後の歌の練習をずっとサボってるんですよ？
正義：
で。なにか他に問題あるんすか？
陸の担任の先生
いや・・・他には何も・・・。いや、むしろ真面目すぎるくらいです。
正義：
サボリだけかよ、お前、つまんねぇ男だなぁ。
陸：
ごめんなさい
陸の担任の先生：
いや、そこ謝るとこじゃない。真面目に考えてください、早川さん。いいですか？他に問題がないからこそサボってることに問題があるんです。本人に理由を聞いても答えないんですよ？
正義：
それ、教え方に問題あるんじゃないすか？それじゃ・・・
陸の担任の先生：
練習曲を歌うのは授業参観の日です。このままだと恥をかくのはあなたなんですよ？
正義：
いやいや・・・なにが恥ずかしいのか分んないっすね。
陸の担任の先生：
はい？
正義：
だいたいね、授業参観なんかくるつもりないんで。こういうどうでもいいことで呼び出さないでもらえます？

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正義：
セバスチャン・バックが言ってたぞ。『自由に無責任に生きるためにロックを選んだ』って。
美月：
はぁ？
正義：
嫌なら逃げていいんじゃないの？それもロックだよ。
美月：
ダメだよ。そんなの。一生逃げることになる。
正義：
戦わなきゃいけないのは、ホントに大切なことだけだよ。それ以外は逃げてよし。
洋子：
そんな無責任な・・・。
正義：
俺そうやって生きてきたよ？
美月：
馬鹿じゃないの？逃げていいなんて親いないよ。
正義：
お前には自由はまだ早いかもねぇ。ごちそうさん。

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ミッキー：
待て！正義！　たった一回だ、次からはお前の好きに出来る。当たればCDリリースだって出来るんだ。こうは考えられないか？お前の曲はアレンジが変わっても価値は変わらない。この仕事はやるべきだ！正義！！
正義：
お前の耳は腐ってんのかよ。おれの曲がミジンコにされたんだよ。
ミッキー：
俺は諦めたくない。
正義：
は？？
ミッキー：
お前はこのまま世間から忘れられてもいいのか？
正義：
いいわけねえだろ！
ミッキー：
じゃあやろう。
正義：
けどなっ、自分の気持ちを無視するようなDNAの仕組みになってねえんだよ！こっちは。そんなの最低最悪の逃げだろ！

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正義：
泣いてんじゃねえよ。結局一人じゃ何もできねえのか？
陸：
正義には分んないよ！みんなの前に出ると怖くなるんだ。また笑われちゃうって思っちゃうんだ。
正義：
言い訳だよ。ただビビってるだけだろ。お前ミジンコの中のミジンコだな。ミジンコオブミジンコ。ミジンコキング。お前ミジンコのくせにないいとこ見せようとかっこつけてるから何もできねえんだよ。自分をさらけ出しゃな、武道館でも小学校でもおんなじなんだよ、関係ねえんだよ。
陸：
だったらここで歌ってよ。
正義：
はぁ？お前馬鹿だろ？
陸：
なんだ・・・歌えないんだ。
正義：
ムリクリ言われて歌えるかバカ。
陸：
口ばっかり。どうせ大事な時も逃げるんでしょ？
正義：
大事なときねぇ・・・歌ってやるよ。歌ってのはな上手さじゃねえんだよ、歌詞間違えても音程はずしてもそんなん気にする必要なんかねえんだよ。自分が納得できてりゃな何でも最高になるんだよ。それがロックだよ！

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